弁護士法人 親和法律事務所

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コラム

Tag:養育費

  • 2021.11.02 相続

    訴訟と調停の違いー裁判所で行われるけれども違う手続き

    離婚や遺産分割について紛争が起こると家庭裁判所で調停が行われることがあります。調停は裁判所で行わるものの一般的に裁判といわれる訴訟とは全く性質が異なります。訴訟とは違う調停の特徴を3つ紹介します。

    1 話合いの手続

    裁判所ときくと、裁判官が判決で紛争を一刀両断に解決する場所というイメージが強いのではないでしょうか。裁判所が判決をして紛争を解決する手続きは、訴訟という手続きで、調停とは全く別の手続きです。調停は、当事者全員が紛争の解決に合意しなければ、調停成立とはなりません。この点で裁判官が判決という形で判断を示す訴訟とは大きく異なります。

    2 調停委員が関与する

    裁判官の多くは職業裁判官としてキャリアを積んできた人たちです。訴訟の場合、多くは職業裁判官のみが手続に関与しますが、調停の場合には、調停委員という人達が手続に関与します。調停委員は、専門家のほか、地域社会に密着して幅広く活動してきた人など,社会の各分野から選ばれます。調停委員は、なんらかの専門家やその地域である程度しっかりしているとされるおじさんとおばさんがなってると言った方が分かりやすいかもいれません。職業裁判官だけではなく、一般市民といわれるような人も手続きに関与するという点も、訴訟と調停の違う点のひとつといえます。

    3 当事者ごとに交互に主張を聞く

    訴訟では当事者が法廷等に一堂に会して、相手方で主張等をしあいます。しかし、多くの場合、調停は、調停委員会が、交互に当事者の主張を聞いていきます。こちらが調停委員と話している間は相手方は控室で待機し、相手方が調停委員と話している間はこちらは控室で待機することになります。相手方本人の前では気兼ね等して言えないことであっても、調停委員であれば説明できて解決の糸口を見つけることができる場合もあるので、このこと自体は悪いことではありません。

    ただ、相手方がどのような主張をしているかについても調停委員を通じて知ることになります。そのため、場合によっては、相手方が資料を提出していても、資料の提出について自分には知らされないということもあります。調停委員は、相手方が提出した資料を意図的に隠すことはしませんから、適宜相手方が提出している資料を確認した方がいいといえます。

     

    このように訴訟と調停では大きく異なる点がいくつかあります。自宅に届いた書類が訴状ではなく調停申立書であれば、裁判とは違う手続きが行われるということになります。

  • 2021.09.13 離婚

    一度決まった養育費が変わるのはどのような場合か

    一度決まった養育費も変わることがあります。今回は一度決まった養育費が変わる典型的なケースをいくつかご紹介します。

    1 父親・母親の年収が大きく変動した

    養育費を支払う側、貰う側の年収が大きく変動した場合、養育費の金額が変わることがあります。養育費は、養育費を支払う方が、支払いを受ける方と子どもと一緒に同居している場合に負担していた費用を離婚後も負担するというものです。父親、母親の年収が大きく変動した場合、子どもとの関係で負担することとなる費用も変わってきますから、養育費の金額も変動することがあります。

    2 父親・母親が再婚をした場合、あらたに子どもができた場合

    例えば養育費を支払っていた父親が再婚をして再婚相手に収入がない場合、父親はもともといた子どもだけなく、再婚相手も扶養しなくてはならなくなります。再婚相手との間に子どもが生まれた場合、新しく生まれた子どもも扶養しなくてはなりません。再婚相手も、後にうまれた子どもも、等しく扶養を受ける立場にありますから、再婚をした場合や新たに子どもができた場合にも養育費の金額が変わることになります。

    3 子どもが15歳になった、大学に進学することになった場合

    小学生の子どもと高校生の子どもの生活費が同じではありません。子どもの生活に必要な費用が変わってくるので、養育費の金額も変わることになります。一般的に養育費の金額が変わるタイミングとしては、子どもが15歳になったときと、大学に進学することとなったタイミングがあります。

     

    一度決まった養育費が変わる典型的なケースをいくつか紹介しました。実際に養育費の増減額が問題になる場合には、年収が変動することを前提に養育費の合意をしていなかったかだとか、再婚相手の扶養が必要なほど再婚相手の収入が低いかだとか、大学進学費用のうちどの限度で養育費の増額を求めることができるかだとかの細かい検討が必要となります。ただ、典型例として挙げたような事情がある場合には養育費が変わる場合もありますので、疑問がある場合には弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。

  • 2021.06.28 離婚

    養育費が払われなくなった?何をすればよいか。

    離婚の際に約束をして支払われるはずであった養育費がある日突然支払われなくなってしまうことがあります。
    そうしたときにどうすればいいのでしょうか。考えられる対応をいくつか紹介します。

    1 履行勧告

    養育費が家庭裁判所で行われた調停・審判で定められている場合には、家庭裁判所に申出をすれば、裁判所で取り決めをした養育費を払うように裁判所が促します。履行勧告のいいところは、さほど手間がかからず、養育費を支払いを督促できることと、なぜ支払わなくなったかの確認ができることです。

    ただ、履行勧告にも拘わらず、相手が養育費を支払わない場合には、自分で相手方の財産を見つけ出して強制執行(差押)をするしかありません。

    2 強制執行(差押)

    養育費支払義務等の支払をしない人の財産を差し押さえる手続きをする必要があります。

    強制執行を行うためには、養育費について、裁判所で判決、審判、調停を経ているか、公正証書において合意を得ておく必要があります。合意の文言によっては、強制執行ができなかったり、強制執行の際に手間がかかってしまうこともあるので、合意の文言に注意をする必要があります。

    また、差し押さえをする場合には、差押の申し立てをする人が差し押さえるべき財産を特定して裁判所に申立てをする必要があります。この財産の特定というのが思いのほか大変なのです。この財産の特定というのはどの程度かというと、給料であれば実際に勤めている会社(あるいは個人事業主)の住所と会社(個人事業主)の名称(そして資料として会社の登記。)を明確にする必要があります。預金であれば原則として銀行名と預金口座がある支店名等までを特定する必要があります。

    養育費等の継続的な支払いを求める債権のために預金の差押をする場合には、その都度差押の申立てが必要です。

    このように差押は強制的に金銭を支払わせることができますが、実際に差押えをするとなると困難な場合もあるのです。

    3 財産開示

    強制執行で差し押さえるべき財産を特定することができない場合、裁判所に申立てをして、養育費等を支払わない人に財産状況を明らかにするように命じる手続きです。令和2年(2020年)4月に民事執行法が改正されて、以前よりは使いやすくはなりました。ただ、養育費を支払っていない人が正直に財産状況を開示しなかった場合等課題もあります。

    支払われない金銭を回収するというのは手間もかかり、場合によっては回収できない可能性もあり、回収できるにしても手間がかかります。養育費のように、長期間にわたって支払いを受け続けるものであれば、なおさら将来に渡って支払いが続くのかは不確実です。もちろん約束をしておきながら、支払いをしないことが認められるわけではありませんが、金銭の支払をうける約束をする際には、将来支払いがされなくなる可能性もあることもある程度は念頭に置いてどのような約束をするのか決める必要があります。

  • 2021.03.18 離婚

    養育費について誤解されがちなこと4選

    離婚に伴って支払うことになるのが養育費です。今回は、養育費についての主な誤解4つを紹介していきます。

    (誤解1) 相手の浮気が原因で離婚する場合には支払わなくてよい

    離婚の原因に拘わらず、養育費を支払う必要があります。養育費は、たとえ母親(父親)に支払うものであっても、子どもの生活のための費用です。離婚の原因について子どもに責任はありませんから、母親(父親)の浮気が原因であっても、養育費を支払う必要があります。

    (誤解2) 子どもに会わせてもらえないのであれば支払わなくてよい

    養育費は、子どもと親との面会交流の対価ではありません。そのため、面会交流が実施できていないからといって、養育費を支払わなくてもいいことにはなりません。その逆も同じで、養育費を貰っていないからといって、子どもに会わせなくていいということにはなりません。子どもと面会交流できない、子どもが面会交流できない事情がある、という場合には養育費とは別の問題として調整をする必要があります。

    (誤解3) 養育費は子どもが成人するまで、ずっと同じ金額をもらい(支払い)続けるもの

    必ずしも同じ金額を支払い(もらい)続けるものとは限りません。養育費を支払っている(もらっている)親の再婚や新しく子どもができた場合、収入の増減収があった場合等には、養育費の金額は変わりうるものです。

    (誤解4) 養育費を請求しない合意をすれば養育費を請求されることはない

    養育費を放棄をした際の事情等にもよりますが、将来、子どもに関する事情が変わったと判断されて養育費を請求される(できる)場合があります。養育費を請求しない(支払わない)代わりになにか別の対価を支払うということは得策とはいえません。

    以上、養育費についての誤解を4つ紹介しました。他にも養育費についてもたれがちな誤解はたくさんあります。インターネットで検索をすれば、多くのことを調べることができますが、その情報が正しいのか、法令改正や判例変更がないか、判例変更がないにしても裁判所がどのように考える傾向があるのか、具体的なケースがインターネット上の情報と同じといえるのか、紛争になった場合にどのように対応していけばいいかといったことまではわかりません。

    相談の時間や、相談料の負担はありますが、信頼できる弁護士に相談に相談されてみてはいかがでしょうか。

    (信田)

  • 2021.03.05 離婚

    「離婚したい」と言う前に考えておくこと

    離婚する際には、細かな離婚条件を決める必要があります。
    今回は離婚条件を検討する際に役立つ指針について説明します。

    1 いつまでに離婚したいか

    なによりも先に、いつまでに離婚をしたいかを決める必要があります。
    離婚することや離婚の条件について合意できていない場合、裁判所で訴訟等をして離婚をしなくてはなりません。
    訴訟で離婚するためには、一定の離婚原因が必要ですから、今すぐ離婚ができるとは限りません。
    仮に離婚原因があったとしても、協議離婚できないのであれば、訴訟をして離婚をする必要があります。
    訴訟をして判決を得るのにも時間がかかります。
    そのため、いつまでに離婚したいかを考えて、そこから逆算して手続きを進めていく必要があります。

    2 離婚条件で譲歩できる点はあるか

    できるだけ早く離婚をするために、離婚条件である程度譲歩をするということも考える必要がある場合があります。
    私が離婚に関する相談を受ける際には、より踏み込んで、
    ①訴訟をして離婚をした場合にどの程度の離婚条件が認められるか、
    ②離婚条件を相手方が守るか(守れるか)、
    ③離婚条件を相手方が守らなかったときに強制執行が成功する可能性はどの程度あるか、
    ④将来事情が変わったことで離婚条件が変わる可能性があるか
    等についてもお話をして、譲歩してもよい点について相談者の方と一緒に検討をしていくことにしています。

    3 すぐに離婚をしなかった場合どうなるか

    離婚をせずに同居を継続した場合に将来離婚できる時期や離婚条件に変化はあるか、別居した場合に離婚できる時期や離婚条件に変化はあるか等を考える必要があります。

    4 最後に

    どうでしたか?
    考えなくてはならないことが多いと思われたでしょうか。
    実際に離婚された方でもここまで検討しなかったという人も多いかもしれません。
    ただ、離婚について紛争になった後になって相談に来られた人で、こんなはずではなかった、と言われる方は、ほとんどの方が今回記載したような事項の検討が不十分な方です。
    考えるのも疲れるし、早く離婚してしまいたい、と思われるかもしれません。
    離婚の提案をする前には今回記載した内容について検討されてはいかがでしょうか。

    (信田)

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