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コラム

Tag:差押

  • 2021.08.10 離婚

    離婚協議書、公正証書にしたほうがいいの?

    1 約束事はまとめておいた方がいい

    公正証書まで作成するか、協議書というあらたまったものを作るかはともかくとして、離婚をする場合には。約束した内容を明確にするために、約束をした内容はしっかりとまとめておいて方がいいものです。

    お互いが別の理解をしてしまっているということはよくあるものです。私の祖母が知り合いと話しているのを聞いていると、当の本人はわかったつもりになっているのですが、後から詳しいことを本人に聞いても、分からないといわれることが多くあります。

    そのため、約束をした内容を一度明確にまとめておく方が得策です。その際、素人同士が作成をしても表現が曖昧で具体的になにを意味しているかはっきりしなくないか、法的に有効かどうか、約束が守られないときにどうなるか等が不安な場合があるかもしれません。そのような場合には、それぞれが約束する内容について弁護士に相談してみるというのも考えらえた方がいいでしょう。約束する内容についての相談だけであれば、よほど特別な事情がない限りは、相談料のみで対応可能なことも多いですし、相談して書面の内容を自分で作れるか不安であれば書面作成料等の費用がかかりはしますが協議書を作成することもできます。

     

    2 公正証書を作成した方がいいかはなにを約束するかによる

    インターネットを検索すると、離婚の際には公正証書を作成した方がいいと書かれていることがあります。

    離婚に関する約束を公正証書でする意味は、金銭等の支払に関して相手方が約束を守らなかった場合に訴訟等の手続きをせずに差押等の強制執行に着手をできることにあります。

    もう少しかみ砕いて説明をすると、強制執行をするためには、単に協議書や契約書があるだけでは足りずに、裁判所が関与している判決、決定等が必要になるのです。

    この強制執行をするために必要な判決、決定等と同一の効力を持つものとして、公正証書(正確にいうと強制執行認諾文言付きの公正証書。)があります。そのため、公正証書を作成しておけば、訴訟を提起して判決を得るなどの手間を掛けなくても、強制執行の申立てができることになっています。

    そのため、公正証書を作成する意味があるのは、特に将来にわたって金銭の支払を受ける立場にある人ということになります。それ以外の人の場合には、公正証書を作成する意味というのはあまりありません。

     

    3 まとめ

    約束ごとをどのような方法で記録するかは、その約束が守られなかったときに、何をしたいかによって変わります。

    すみやかに強制執行をできるようにしたいというのであれば、公正証書等の方法で記録をした方がいいですし、強制執行の見込がないか強制執行ができないというのであれば公正証書にする必要は大きくはありません。

    さらにいえば、約束が守られなかったときに強制執行することができないのであれば、その約束にどこまでこだわる必要があるのか、強制執行をすることができない約束よりも強制力を持たせることができる別の約束をする等の対応をかんがえた方がいい場合もあるのです。

  • 2021.06.28 離婚

    養育費が払われなくなった?何をすればよいか。

    離婚の際に約束をして支払われるはずであった養育費がある日突然支払われなくなってしまうことがあります。
    そうしたときにどうすればいいのでしょうか。考えられる対応をいくつか紹介します。

    1 履行勧告

    養育費が家庭裁判所で行われた調停・審判で定められている場合には、家庭裁判所に申出をすれば、裁判所で取り決めをした養育費を払うように裁判所が促します。履行勧告のいいところは、さほど手間がかからず、養育費を支払いを督促できることと、なぜ支払わなくなったかの確認ができることです。

    ただ、履行勧告にも拘わらず、相手が養育費を支払わない場合には、自分で相手方の財産を見つけ出して強制執行(差押)をするしかありません。

    2 強制執行(差押)

    養育費支払義務等の支払をしない人の財産を差し押さえる手続きをする必要があります。

    強制執行を行うためには、養育費について、裁判所で判決、審判、調停を経ているか、公正証書において合意を得ておく必要があります。合意の文言によっては、強制執行ができなかったり、強制執行の際に手間がかかってしまうこともあるので、合意の文言に注意をする必要があります。

    また、差し押さえをする場合には、差押の申し立てをする人が差し押さえるべき財産を特定して裁判所に申立てをする必要があります。この財産の特定というのが思いのほか大変なのです。この財産の特定というのはどの程度かというと、給料であれば実際に勤めている会社(あるいは個人事業主)の住所と会社(個人事業主)の名称(そして資料として会社の登記。)を明確にする必要があります。預金であれば原則として銀行名と預金口座がある支店名等までを特定する必要があります。

    養育費等の継続的な支払いを求める債権のために預金の差押をする場合には、その都度差押の申立てが必要です。

    このように差押は強制的に金銭を支払わせることができますが、実際に差押えをするとなると困難な場合もあるのです。

    3 財産開示

    強制執行で差し押さえるべき財産を特定することができない場合、裁判所に申立てをして、養育費等を支払わない人に財産状況を明らかにするように命じる手続きです。令和2年(2020年)4月に民事執行法が改正されて、以前よりは使いやすくはなりました。ただ、養育費を支払っていない人が正直に財産状況を開示しなかった場合等課題もあります。

    支払われない金銭を回収するというのは手間もかかり、場合によっては回収できない可能性もあり、回収できるにしても手間がかかります。養育費のように、長期間にわたって支払いを受け続けるものであれば、なおさら将来に渡って支払いが続くのかは不確実です。もちろん約束をしておきながら、支払いをしないことが認められるわけではありませんが、金銭の支払をうける約束をする際には、将来支払いがされなくなる可能性もあることもある程度は念頭に置いてどのような約束をするのか決める必要があります。

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